手足口病とは?症状や潜伏期間、看護の際の対策を詳しく!

夏頃になるとよく耳にする「手足口病」。

お子さんがいる方は一度は耳にしたことがある病気だと思います。

今年の夏もTVやSNSで感染が増加しているという報告が増えています。

「手足口病」という名前は聞くけれど、どんな病気なのかわからず心配ですよね。

今回は、手足口病ってどんな病気?症状や潜伏期間、登園の目安、看病する際の注意点などについて解説していきます。

目次

手足口病とは?

手足口病は、主に乳幼児や5歳以下の小さな子どもに発症するウイルス性の感染症です。

原因のウイルスとしては、腸の中にいる、コクサッキーA16ウイルス、エンテロウイルス71型、エコーウイルスなどがあります。

特に、夏から秋にかけて発症が増加し、数年に一度大流行します。

手のひら、足の裏、口の中などに特徴的な発疹が出来るのが、名前の由来です。

また、複数のウイルスの型が存在するため、何度も感染する場合もあります

手足口病の症状

手足口病は、3~6日の潜伏期間を経て発症します。

初期症状としては、発熱や食欲不振、のどの痛みが現れることが多いです。

その後、1~2日で手のひら、足の裏、口の中、さらにはお尻やひざの内側などに小さな赤い斑点が現れ、やがて水泡に変わります。

主な症状は以下の通りです。

・発熱:38℃前後の熱が出ることがあります。出ても1~2日で下がることが多いです。熱は出ないこともよくあります。

・発疹:手足や口の中、舌、お尻、ひざの裏などに、周囲が赤くて中心が白い米粒大の水泡ができます。水泡は1週間程度で自然にしぼみます。

・のどの痛み、食欲不振:口の中の水泡が破れることで、強い痛みを伴う潰瘍になります。そのため、のどの痛みが出たり、食欲不振や不機嫌になることがあります。

・下痢、嘔吐:ときには下痢や嘔吐を伴うこともあります。


基本的には後遺症や合併症の心配は少ないですが、まれに髄膜炎や心筋炎、脳炎などを引き起こすことがあります。

高熱や頭痛、嘔吐を繰り返す、呼びかけに応じないなどといった、気になる症状があるときは、すぐに受診しましょう。

強い症状が出る型とは

近年流行がみられるコクサッキーA6型(CVA6)というウイルスによるものは、従来の手足口病の症状に加えて、

39℃台の高熱、体幹部の発疹、回復してから数週間後に爪が剥がれ落ちるといった従来型とは違った症状も報告されています。

手足口病の感染経路

手足口病は非常に感染力が強く、主に飛沫感染、接触感染、糞口感染によって広がります。

ウイルスは、感染者の唾液、鼻水、便、水泡の中に含まれていて、これらが直接または間接的に口に入ることで広がります。

特に感染者が使用したおもちゃや食器、タオルなどを介して感染することがあるため、集団生活を送る保育園や幼稚園、複数の子どもが集まる子どもルームなどで広がりやすいです。

手足口病は大人でも感染する?

手足口病は子どもが感染する印象が強いですが、大人でも感染します。

大人が感染した場合は、子どもに比べて症状が強く出やすい傾向にあります。

高熱を伴う発熱、手足の裏を刺すような痛み、唾液を飲むだけでのどが痛むなどの症状が報告されています。

手足口病の薬、ワクチンはあるの?

手足口病はウイルスによる病気のため、特効薬やワクチンはありません

基本的には治療せずに自然に治るのを待ちます。

発疹の痒みや喉の痛み、頭痛や発熱に対する対処法として薬が出ることがあります。

手足口病に感染した時の登園目安は

手足口病は指定感染症ではないため、「感染したら〇日休まなければならない」といったルールはありません。

厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン2018」によると、手足口病に感染した場合の保育園への登園の目安は「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」と定められています。

そのため、発熱や喉の痛み、下痢といった症状がなくなり、食べ物やミルクが摂れるようになってから登園を再開するようにしましょう。

また、上記ガイドライン「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」に当てはまります。

保育園、幼稚園によって方針が違いますので、感染がわかった段階で報告し、登園再開に必要な手続きの確認をしてください。

家族が感染した時、看病で気を付けるポイントは

家族が感染した場合、感染を広げないことが大切です。

接触感染の予防:石鹸による手洗いをしっかりとする。ドアノブやおもちゃ、食器類から感染しやすいので、触った際は都度手洗いをする。また、タオルは共有せず、嘔吐などで汚れた服やタオルは塩素系の漂白剤かお湯で洗うとよい。

飛沫感染の予防:可能な場合はマスクをつける。感染者と接触後は手洗いうがいをする。

糞口感染の予防:治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されるため、おむつ替えの後は排泄物を適切に処理し、しっかり手洗いをする。

また、手足口病にはアルコール消毒は効果が無いとされています。

理由としては、アルコール消毒はエンベロープという膜を持っているウイルスの膜を壊すことで、消毒効果がありますが、手足口病の原因ウイルスがエンベロープという膜を持っていないため、アルコールに対して強いのです。

そのため、日頃から石鹸での手洗いが大切です。

まとめ

今回は手足口病についてまとめてみました。

夏から秋にかけて流行りやすく、子どもが感染することが多い病気ですが、大人も感染します。

また、近年では従来型と異なるウイルスによる感染も認められていて、通常の症状よりも重たくなる傾向にあります。

症状が見られた場合は、必要に応じて医師の診察を受けることが大切です。

また、手足口病の感染がわかったら、保育園や幼稚園にすぐに報告をして、登園再開に向けた指示を確認してください。

家族に感染者が出た場合は、石鹸による手洗い、うがい、排泄物の処理に気を付けることで、家庭内感染を予防できます。

手足口病に関する正しい知識を持ち、感染対策をしっかりすることで、子どもや家族の健康を守りましょう。



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